この体験談でわかること
昔から一人親方や個人で営む飲食店は税務調査に対象になりがちです。これは売上や経費の部分をコントロールしやすく、税務署側から見れば追徴課税が取りやすいから、というのも大きな理由でしょう。
そんなmobilerさんも一人親方として塗装業を営まれています。突如として降りかかってきた税務調査をどのように乗り切ったか?必見です。
体験者様の詳細
体験者様ニックネーム:mobilerさん
調査時の業務形態: 個人事業主としての塗装業であり、売上を立てていた。経費ではインターネットやスマホ代など家事按分として50%で計上しており、それだけではなく日常生活における経費になりそうなものを次々と経費算入していた。例えば、旅行や普段の飲食代など
確定申告の状況:ご自身で確定申告を行っており、税理士とは未契約
突然の税務調査通知、その時の心境とは?
税務調査依頼の通知とその時の心境
mobilerさん、体験談をお寄せいただき有難うございます。改めて当時を振り返り、税務調査依頼が来た際のシチュエーションとその時の心境はどんなものでしたか?
仕事のない昼頃にテレビを見ていると、いきなり電話が来ました。驚きました。
普段確定申告の際に税理士を通していなかったので、頭の中が真っ白になりました。
そもそも、売り上げをきちんと申告したことがなかったので、心当たりが物凄くあって心臓がどきどきしました。
慌ててインターネットで税務調査について調べると税理士を入れないと話にならないを書かれていましたが、当時は資金的に余裕がなかったので、その時は自分一人で戦うことにしました。
調査依頼直後の不安や懸念点
自分で戦おうとされたんですね、その意思決定がすごいです。やりとりがあった直後、何か懸念点があったり、不安な点はありましたか?
売上をかなりアバウトに申告していたので、仕事の引受先を細かく調べられたら「うっかりしていた」などの言い訳が通用しないと思いました
経費に関しては自信があったのですが、そもそも経費に算入する基準も良く分かっていないものも多く、もしほとんどの経費が認められなかったら税金で破産してしまうのではないかとの懸念が強かったです。
知人から家事按分を50%くらいにしておけば、大丈夫との話を聞いていたため何も考えずに、家事按分を50%にしておけば、どんな経費も大丈夫との間違えた解釈をしていたのです。
家事按分を50%にしておけば大丈夫、という言葉の信憑性が気になりますね。人から聞いた話を元にご自身で確定申告をしていたのですか?
そうです、今思うとその50%にも根拠はないですよね。
調査対象の年度
当初言い渡された調査対象の年度は何年分だったんでしょうか?
私の場合、当初は3年分が調査対象になっていました。
しかし調査の過程で、私が独立して事業を始めて今日に至る5年分が調査対象になりました。
おそらく、私の確定申告の仕方がかなり雑だったので、調べれば調べるほど、余計に調べる必要があると判断したのだと思います。
幸い、私自身独立開業してから領収書や伝票などをすべて保管していたのが大きかったです。これが無ければ改めて売り上げや経費の計算をすることが出来なくなるところでした。
税務調査の奮闘記
税理士を探すことからスタートした
最初は3年分の遡りで、調査の過程で5年に遡られてしまったわけですね、税務署は違和感を感じると、調査年数を伸ばす傾向がありますよね。依頼が来た直後は、具体的にどのような対応をしたのか教えてください。
知人の税理士に電話で助けを求めましたが、あまり乗り気ではなかったので、他の税理士に依頼しようと思いました。
しかし、報酬の面で折り合いがつかず、結局私個人で調査を受けようと思いました。
売上や経費を改めて計算し直し、最悪の場合、私は追徴課税が数百万円来ることを知りました。
もはや、証拠隠滅などをしても逃れられないと分かっているので、すこしでも経費に理由を付けて認められやすくするために動こうと決心しました。
時系列での対応
その後mobilerさんがどのように対応していったのか時系列で教えてください。
先に言った通り、まずはネット検索して、税務調査の乗り越え方とか、税理士探しを行おうとしました。ただ金額面やそのほか面で依頼を断念。そこからは気持ちを切り替えて、自分で過去の確定申告書と向き合いました。
調査依頼日から1日目には、インターネットで税務調査の乗り越え方を調べました。
調査依頼日から2日目には、税理士に依頼しようとしましたが、断念しました。
調査依頼日から3、4日目はひたすら確定申告書を見つめあい、自分の売り上げや経費をすこしでも認めてもらえるように整理しました。
調査依頼日から5日目は妻に所得隠しで送金した預金通帳を細かくチェックしました。残りの時間は全て、今までの売り上げや経費の計算をし直していました。
調査準備中の心境
このときのどのような心境だったのでしょうか?
調査依頼日から1日目はとにかくパニックで冷や汗を流しながらインターネットで税務調査を調べ、半分泣きそうな状態でした。
調査依頼日から2日目は、少し落ち着きを取り戻していたのと、税理士の報酬が思った以上に高くてかなり腹が立ちながら過ごしたのを覚えています。
調査依頼日から3日目以降は、再び売り上げや経費の数字を見ながら泣きそうになっていました。とにかく、喜怒哀楽が激しくなっていて記憶がごちゃごちゃになっていたことを覚えています。