この体験談でわかること
いまや日本人の国民食となったラーメン屋。調査によれば、ラーメン店は全国に2万軒ほど存在していると言われています。ひとたび人気店になればたちまち大儲けできるイメージもあります。そんな飲食店の代表格でもあるラーメン店も税務調査の対象になりやすい業種といえます。
今回の体験談はラーメン店を2店舗経営されている敏腕経営者であるプルトン童さん。突然の税務調査依頼から衝撃の結末まで、完全解説していきます。
体験者様の詳細
体験者様ニックネーム:プルトン童さん
調査時の業務形態: 飲食業
売上と経費の構造:ラーメン店を2店舗で、合わせて、年商8千万円ほど。経費は仕入れと人件費という一般的な構造
確定申告の状況:顧問税理士をつけている。会計処理は毎年実施していた
突然の税務調査通知、その時の心境とは?
税務調査依頼の通知とその時の心境

プルトン童さん、体験談をお寄せいただき有難うございます。改めて当時を振り返り、税務調査依頼が来た際のシチュエーションとその時の心境はどんなものでしたか?



法人成りしてから、一度も税務調査に入られたことがありませんでした。その日の朝はいつもどおり、仕込みのために、出勤したところ、税務署職員が待ち伏せしておりました。
その場で、税務調査への協力を求めらて、有無を言わせず、調査協力となりました。税理士にも税務職員から連絡するのでと言われて、調査がどんどん進んでしまいました。
突然のことで気が動転してしまいましたが、今を思えば、強制調査ではないのだから、その場では調査拒否し、税理士と話をして少し呼吸を整えてから、調査を受ければよかったです。
調査依頼直後の不安や懸念点
依頼直後の恐怖と不安



直接調査官が来るケース、たまに聞きますが気が動転しますよね、、やりとりがあった直後、何か懸念点があったり、不安な点はありましたか?



正直な話として、手元の現金はどんどん支払いに回しており、その中には個人的なものも含まれていたかもしれないと漠然と頭に過っていました。
税理士に報告していない支払いについては、どのような会計処理になっているかは分かりませんでした。
ただ、昔ながらの色札で注文をとるスタイルのため、帳簿をつけている自分以外に分かるものは居ないとも思っていました。今思えば、法人成りしたとはいえ、まだまだ考えが甘かったのです。
調査対象の年度



当初言い渡された調査対象の年度は何年分だったんでしょうか?



正直、当初の調査年度は覚えていません、、が、不正が見つかってしまい、重加算税対象として7年分遡る羽目になってしまいました。
調査は抜き打ちできたのもあり、帳簿を見るのではなく、銀行へ入金前の前日の売上金の確認、製麺所からの納品伝票控え、当日の製麺仕入れ在庫、従業員タイムカードを有無を言わさず、抑えられてしまい、税務職員2名、後から1名が応援にきて、ひたすら集計作業をしていました。
私のいる本店以外の支店にも2名入っており、同じような状態だったようです。
税務調査の奮闘記
まずは遠方にいる顧問税理士に連絡



調査官の突然の調査のとき、プルトン童さんさんが具体的にどのような対応をしたのか教えてください。



税理士については、知り合いのツテで茨城の先生にお願いしており、到着まで2時間くらいかかりました。
当日の朝の話なので、一応駆け付けてくれたので、心強かったです。それまでは、一人で数名の調査員の相手をしており、かなり疲弊しておりました。
また、他の従業員に動揺が映らないように、開店準備も合わせて行っていました。
開店は無事にできましたが、私は終日、厨房裏の事務室で調査対応をしておりました。本音を言えば、臨時休業にしたかっですが、それも悔しいので開店しました。
時系列での対応



臨時休業しない姿勢がプルトン童さんの強さを物語ってます。その後プルトン童さんがどのように対応していったのか時系列で教えてください。



朝の証拠集めで、あらかた問題点が見つかったようで、昼からは、帳簿との照合作業が始まり、私への質問は核心をついてきました。
まず、当日の売り上げと現金に差が出ていること。また、麺の仕入れと当日の売り上げに差が出ていること。タイムカードの打刻時間についての質問がどんどん続きました。
私はしどろもどろになりながら、応えていきました。その後税理士が到着しましたが、ここまでの話は先生も関知していない部分でした。
調査準備中の心境



このときのどのような心境だったのでしょうか?



やり取りの中でだんだん、税務署側の調査方法の意図が分かってきて、非常に恐怖心を覚えました。
税務署はまず調査日(前日)1日の売り上げに絞って、不審な点がないか、数字がちゃんと帳簿に載せているかの確認をしていることが分かりました。
また、確かにラーメン一杯の単価800円とすれば、麺の仕入れと在庫で、その売り上げ規模が推定できると。
また、タイムカードは一枚一枚ではなく、並べてみれば打刻時間が不自然な従業員がいるのが分かると。



調査の仕方に執念を覚えますね、、これを聞くと、売上を抜いたり、隠したりするのはすぐバレてしまいそうですね。



そうですね、現金商売であってもそこは関係ないと思います。バレますね。