この体験談でわかること
構造上、売上を隠しやすい、公私混同しやすいことから飲食店は昔から税務調査の対象になりやすい業種です。今は大丈夫でも、税務署は虎視眈々と狙っています。どんぶり勘定だった飲食店がどのように税務調査を乗り越えたのか?必見です。
今回の体験談は複数店舗展開していた飲食店で経理を勤めていたhiroさんからお寄せいただきました。突然の税務調査依頼から衝撃の結末まで、完全解説していきます。
体験者様の詳細
体験者様ニックネーム:hiroさん
調査時の業務形態:飲食業経営(法人)
売上と経費の構造:飲食店3店舗、小売り1店舗(コンビニ)で調査当時年間2億3千万の売上が発生。経費構造としては仕入れ、人件費、水道光熱費、家賃、リース、借入金返済、家賃、事務経費などが存在。
確定申告の状況:顧問税理士をつけている。会計処理は毎年実施していた(法人成り以降)
突然の税務調査通知、その時の心境とは?
税務調査依頼の通知とその時の心境

hiroさん、改めて当時を振り返り、税務調査依頼が来た際のシチュエーションとその時の心境はどんなものでしたか?



突然、税務署から調査に入る日付、開始時間の電話連絡がありました。
私は経理の立場でしたから、調査連絡があったその後すぐそれを聞かされたのですが、代表は非常に動揺している感じでした。当然私も急なことなので、動揺しましたね。
調査依頼直後の不安や懸念点
依頼直後の恐怖と不安



やりとりがあった直後、何か懸念点があったり、不安な点はありましたか?



毎日の売り上げが現金で集まり各店舗の書類を確認、電子帳簿(財務計算ソフト)に打ち込み現金を確認して銀行に入金する流れだったのですが、オーナー、その家族が理由を言っては出金していくため帳簿につけていましたが不安でした。
項目がわかれば経費として挙げられるのですが、わからないものは代表者勘定として挙げていたため事務はその分煩雑でした。
個人の時からの借入金返済を引き継いでおり、基本資金繰りが厳しく、仕入れ、光熱費の支払いを伸ばすことは日常的に行っていました。
私も経験がなかったため労務士、税理士の先生と相談していましたが初めての税務調査は不安がありました。
調査対象の年度



私的利用は経理からすると把握しきれないですもんね、、当初言い渡された調査対象の年度は何年分だったんでしょうか?



当初の調査年度は覚えていません 。3年とかだった気がします。
代表が個人事業主時代にも税務調査が入っているようですが、法人成り以降の数年分を調査、という形だったかと思います。
税務調査の奮闘記
まずは顧問税理士に連絡



調査官の突然の調査のとき、具体的にどのような対応をしたのか教えてください。



顧問税理士に連絡しました。
そのあとは帳簿の整理等に奔走した形です。忙しすぎてあんまり記憶にないのが正直なところなのですが、、
とにかく、帳簿の整理に時間がかかりすぎて、税理士さんの得意技の「どうやって追徴課税を軽くできるのか?その戦略は何か?」まで検討しきれない部分も不安でしたし、そのスキルが顧問税理士にはないのか?とかちょっと疑ってしまったりしました。
時系列での対応



その後どのように対応していったのか時系列で教えてください。



いきなり調査当日の話になってしまいますが、、調査当日、30前後の税務署から派遣された女性職員が2名来られ私が対応しました。
予めオーナーから、挨拶だけしたらパソコン、事務書類の場所を教えて外に出た方がいいと言われていました。
個人の時に何度か調査に入られ指摘されたエピソードなどを踏まえ、税務署は必ず何かしら手柄を持って帰るのだそうです。私は法人立ち上げからの電子帳簿、必要書類の場所を伝え、所要があるのでその場を離れました。
数時間後に電話連絡があり帰社後に合う事になりました。帰社後、税務職員からいくつかの質問あり順調に答えていました。そして代表勘定の部分の別帳簿(代表者個人、その家族の報酬、経費に分けた日々の帳簿)の説明を求められました。
私は正直に事情を説明したのですがその点は指摘事項として経費としては認められず修正申告するように言われました。
先ほども伝えた通り、とんとん拍子で調査が進んでいってしまい、かつ帳簿の整理にも時間がかかっていたので、追徴課税とかの不安まで解消する時間がなかったです。



今思うと、一旦調査日を長引かせて、きっちり税理士先生と連携する時間を取ればよかったですね。



そうですね、同じ境遇の方はそれがおすすめです。主導権をこちらで握りたいところです。