この体験談でわかること
経営コンサルタントという職種(第5種事業)も近年人気な業種として注目を集めています。開業にあたって元手もかからず、キャッシュインも早い業態であることも人気の理由です。一方で経費率の低さから、税務署は税務調査対象として目を光らせていることも事実です。
体験者のうえじまさんもある日突然に税務調査依頼が来た経験をお持ちです。顧問税理士もおり、盤石の体制だったにも関わらずの実地調査に当初は驚かれたようです。経営コンサルタント事業を行っている方、本来経費率の低い事業をされている方必見の税務調査体験談です。
体験者様の詳細
体験者様ニックネーム:うえじまさん
調査時の業務形態:個人事業主で経営コンサルタント
売上と経費の構造:売上はコンサル収入が100%、経費は仕入れが40%、人件費が18%、広告宣伝費が10%、地代家賃が15%。経営コンサルタント業で月額固定でコンサル費用をとっている。 人件費は売上の18%で固定し、外注費が発生する場合も売上の10%以内と決めている。
確定申告の状況:顧問税理士と連携し、毎年申告
突然の税務調査通知、その時の心境とは?
税務調査依頼の通知とその時の心境
うえじまさん、税務調査お疲れ様でした。税務調査依頼が来た際のシチュエーションとその時の心境はどんなものでしたか?
9時になったとたん、電話での連絡があり、税務署から今回の税務調査の対象になったことを告げられ、2週間後くらいの日程と時間を提示されました。
正直驚きましたし、何がいけなかったのかと疑心暗鬼にもなりました。
提出した決算書のコピーを取り出して何度も確認を行い、税理士に相談の電話とメールを入れました。
当日重要なクライアントとのアポイントメントが入っていたので事情を話したところ別日程が提示されました。意外に話ができるのだという印象を受けました。
調査依頼直後の不安や懸念点
依頼直後の恐怖と不安
税務署は意外と融通が効きますし、低姿勢ですよね。依頼が来た直後、何か懸念点があったり、不安な点はありましたか?
この2年間で急激に売り上げが伸びたことによって、経費が大きく上がったため、怪しまれたのではないかと懸念しました。
利益を不当に圧縮していると思われたのではないかと思いました。経費もエアコンの購入など大きな金額が動くものが多かったので仕方ないですし、減価償却もしたのですが、事業拡大をするとこのように目をつけられることもあるのかと少し悲しくなりました。
また、家族に迷惑がかかることがあるのではないかと懸念しました。
調査対象の年度
調査対象の年度は何年分だったんでしょうか?
電話で伝えられたのは3年分の決算書と領収書の原本、会計ソフトのデータの提出・閲覧を伝えられました。
調査の過程で増えることはなく、3期分の決算書を隅から隅まで領収書との突き合わせなどをされていました。
話は前後しますが、調査が始まるときに担当調査官から「必要があれば追加で提出を依頼します」と一言断りがありましたが、最後まで追加提出の依頼は出ませんでした。
もともと予定されていた決算書や領収書などの書類の提出を行うに留まりました。
税務調査の奮闘記
顧問税理士との連携
税務署員からの連絡以降、具体的にどのような対応をしたのか教えてください。
まずは決算書を確認してくださった税理士に連絡を行いました。
ネットでも情報を調べ、調べた情報と税理士からのアドバイスをもとに税務調査準備を行い、対策を検討しました。
調査官とのやり取りの想定問答集を作成し、シミュレーションを繰り返し行いました。
税理士は別の事務所にも相談し、見解の食い違いなどがないか、最終確認を行いました。
特に経費の勘定科目や家計人の勘定按分の誤りがないかなど再度確認を行い、少し疑問を感じたことなどは付箋を貼って調査官にわかりやすくしました。
時系列での対応
確認に余念がなかったわけですね。顧問税理士がいると準備がスムーズですね。その後うえじまさんがどのように対応していったのか時系列で教えてください。
結構急ぎで諸々対応していきましたね、通常業務と並行なので結構辛かった記憶があります。
調査依頼日:決算書の確認と顧問税理士への連絡と面談日程調整・決定
調査依頼日から2日目:税理士と面談1回目
調査依頼日から3日目:インターネット上で調査内容の口コミやポイントを集める
調査依頼日から6日目:税理士と面談2回目。想定問答の練習
調査依頼日から8日目:別の税理士に面談依頼。決算書・領収書の確認
調査依頼日から10日目:別の税理士との面談。見解確認
調査依頼日から12日目:税務調査当日
調査依頼日から14日後:調査日
調査日までの2週間、詰め込みました。
調査準備中の心境
かなりスピーディーに対応されてますね!そのときどのような心境だったのでしょうか?
初期は怖い気持ちが強かったですね。時系列で言うと、こんな感じです。
調査依頼日:決算書の確認と顧問税理士への連絡と面談日程調整・決定
→正直怖い気持ちが勝っていました。もしも何か大きなミスをしていたら捕まってしまうのかなどからくる恐怖心
調査依頼日から2日目:税理士と面談1回目
→税理士先生に大丈夫と言ってもらえて落ち着きを取り戻しました。
調査依頼日から3日目:インターネット上で調査内容の口コミやポイントを集める
→実は結構な確率で税務調査に入られている人がいることが分かって安心もしました
調査依頼日から6日目:税理士と面談2回目。想定問答の練習
調査依頼日から8日目:別の税理士に面談依頼。決算書・領収書の確認
→セカンドオピニオン的な気持ちになっていて、安心感を得たい気持ちが心を占めていました。
調査依頼日から10日目:別の税理士との面談。見解確認
調査依頼日から12日目:税務調査当日
→緊張していました。